宇多丸&掟ポルシェ氏対談

http://blog.yomiuri.co.jp/popstyle/2007/10/post_ee87.html
いやあ、、、
久々に「完全同意」と言える文章読ませていただきましたよ。


全体を貫いて感じたことは、
「楽曲のクオリティが全部を突破していく」
そのことの強さですね。


TVブロスにせよ、ACにせよ、
そのチャネルのコンテンツ選択権を持っている担当者が
「所詮アイドル」と思って聞いてみたら
今まで聞いたこと無い音がなってる。
なんじゃこりゃということになり採用。
それでどんどんありえない壁を越えてきた。


色んな偶然が奇跡のように重なり合って今がある。
でもここまで来ると、その偶然は必然。神の意思ではなかったのかなと思います。


ぜひ上記リンク先、ご覧ください。8ページにわたっています。


朝方に加筆
http://blog.yomiuri.co.jp/popstyle/2007/10/post_fa63.html
第2章の部分から引用

宇多丸氏:いきなり売れたわけでもないのにブレずにいるのは、本当に難しいことなんです。普通は、売れなかったらとりあえず路線をガチャガチャ変えるわけですよ。(中略)
掟氏:アイドルポップスでなくても、CDってまず売上げですよね。そのビジネスがビジネスとして成立してないのに、それでも同じ路線で続けていくって、これはもうある一定の信念を持ってないと絶対できないことで。

ここんところですけど、信念も確かにあったと思うのですが、
amuseにあったのは、「中長期的経営の視野」だったと思うのです。
上記で語られている今や「当たり前」になってしまっている
「今の売上」に即反応して動いてしまう経営姿勢。
何も音楽業界に限った話ではないですよね。
自分自身が経営に関わる仕事をしているので身につまされてわかるのですが、
こういう経営では駄目なんですよね。


短期的にはこういう経営の方が成功します。
特に会社に経営的な余裕がないとそういった判断になりがちです。
Perfumeが「下積み」期間を許してもらえたのは、

  • amuseにそれだけ経営の余裕があった
  • そして中長期的に見て「面白い」と思わせる事象が彼女達の売れ方にあった。
  • 何よりもそういう経営判断をできる見識が大里会長以下amuseという企業の経営陣にあった。

こういった要素があったからだと思います。


中長期、少なくとも4,5年先の姿を見据えて、
「今は赤字」のR&D段階の製品をいくつか常に持っていないと
その企業はぶっちゃけ長続きしないと思います。今ドンだけ儲かっていても。
英会話学校なり、某生扉なり、
死屍累々の事例をご覧いただければわかると思います。
某大手服飾品店がなぜ浸透したそのブランドにこだわらず、
買収を進めて行こうとするのか。
かつて生扉が短期的利益の追求のために行ったのとは根本的に異なるんですよ。


メーカーなどではよく語られるような
信念のR&Dの奇跡のような話を、
エンターテイメントの世界で見れるというのは本当に素敵なことですよね。